『三角縁神獣鏡・同笵(型)鏡論の向こうに』(2016年12月刊行)

紹介

三角縁神獣鏡を含む青銅鏡1000面以上の三次元計測のデータベースを元に、復元研究と製作技術論的視点から三角縁神獣鏡「出吹き」生産を唱え、「前方後円墳体制論」に再検討を迫る。
258頁 2800円+税

第一部 三角縁神獣鏡・同笵(型)鏡論

    1. 自作の断面計測装置から
    2. 歴史学と古物調査
    3. 古鏡調査の細密化と三要素
    4. コラム
    1. 同笵(型)鏡黒塚12号鏡と同31号鏡の修正痕
    2. 目21張氏作三神五獣鏡の比較(黒塚16,18号鏡ほか)
    3. オーバーハング鏡の発見
    4. コラム
    1. 精妙・高度・疑似・稚拙な薄肉彫り鏡
    2. 疑似薄肉彫り鏡とオーバーハング鏡
    3. 同一工人の手になる鏡
    4. 異なる工人による修正
    5. コラム

第二部 同笵(型)鏡論と復元研究

    1. 同笵(型)鏡論の進展
    2. 同笵(型)鏡論の課題
    3. 復元研究のあり方
    4. 原鏡と複製鏡製作技術
    5. コラム
    1. 復元研究の条件を設定する
    2. 復元研究の目的
    3. 原型と鋳型の準備
    4. コラム
    1. 第1~3回の鋳造実験
    2. 第4~6回の鋳造実験
    3. 第7、8回の鋳造実験
    4. コラム
    1. 同笵法の可能性について
    2. 観察・推定法と検証ループ法
    3. 抜け勾配と鋳型の欠損の関係を検証する
    4. 同笵法と同型法における文様の鮮明度の変化を検証する
    5. 鋳型の欠損に起因する突起はどう変化するか?
    6. 「鋳型のひびは成長する」か? -二層式鋳型の着想-
    7. 「鏡は収縮する」か?
    8. 収縮とひびの関係について
    9. 鏡の反りを検証する
    10. 復元研究のまとめ
    11. コラム

第三部 同笵(型)鏡論の向こうに

    1. 鏡を鋳造した後の加工
    2. 鏡背面の三角縁の内側と鋸歯文周辺の仕上げ加工の再現実験
    3. 仕上げ加工痕の比較検討
    4. 三角縁神獣鏡の製作体制について
    5. 三角縁神獣鏡と移動型工人集団
    6. コラム
    1. 薄肉彫りの技術移転
    2. 鋳肌の技術移転
    3. へら押しの技術
    4. 鋸歯文の技術移転
    5. 仕上げ加工の技術
    6. 二層式鋳型の技術
    1. 古墳時代研究と三角縁神獣鏡製作地論
    2. 前方後円墳文化論
    3. 型式学的分類と技術的分類
    4. おわりに